本日の演目
演目明日から行かない朝
登場人物限界の会社員/玄関に置かれた社用の鍵/退職代行
上演時間この記事は3分で読めます
明日の出勤を想像しただけで、胃のあたりが重くなる。「即日退職」で検索したのは、逃げたいからじゃなく、もう限界のサインが出ているからだと思います。

レンくん
「即日退職できます!」って広告、あれ本当なんですか?法律的にアウトなことをやらされてたら怖くて…。

幕田さん(支配人)
いい警戒心です。正確に言うと、「今日辞めて雇用契約も今日終わる」は原則できません。でも「今日から一日も出社しない」は普通にできます。世の中で「即日退職」と呼ばれているのは後者です。仕組みを知れば不安は消えます。
今夜これだけ覚えて帰ってください
- 契約は意思表示から2週間残る。でもその2週間は有給か欠勤で埋められる
- だから「今日から出社ゼロ」は合法的に成立する
- 退職に会社の「承認」は要らない。通告で成立する
SCENE 01即日退職の正体は「2週間を出社ゼロで埋める」こと
期間の定めのない雇用(正社員・多くのバイト)では、退職の意思表示から2週間で雇用が終了します(民法627条)。つまり契約上は2週間残る。ここまでが原則です。
そのうえで、その2週間を——
- 有給休暇で埋める — 残っていれば申請して消化。出社ゼロで退職日を迎える
- 欠勤で埋める — 有給がなくても、欠勤(無給)として出社しないことは可能
こうして「意思表示した日から一度も出社せずに辞める」が成立します。退職代行の「即日対応」とは、今日この意思表示を会社にしてくれるという意味です。

レンくん
なるほど、「契約が今日切れる」んじゃなくて「今日から行かない」なんですね。…それで十分です、ぼくが欲しいのはそれなので。

幕田さん(支配人)
そうです。検索している人が欲しいのは契約の即時終了ではなく、明日の朝、あの玄関を出なくていいこと。それは今日から手に入ります。
SCENE 02「上司がOKしないと辞められない」は、空気です
「上司がOKしないと辞められない」「後任が見つかるまでは無理」——どちらも法的根拠はありません。
退職は会社の承認事項ではなく、労働者からの通告で成立します。承認を待つ必要があるかのように言うのは、引き止めの空気づくりです。退職届を受け取ってもらえない場合の対処は、こちらにまとめてあります。
→ 退職届を受け取らない上司への対処
SCENE 03ただし、この3つに当てはまる人は読み方が変わります
例外と注意点
- 契約社員(有期雇用): 原則は契約期間まで働く約束。ただし「やむを得ない事由」があれば途中でも退職でき、契約初日から1年を超えていればいつでも申し出できます。有期の人は労組型・弁護士型に相談する方が安全です
- 就業規則の「1ヶ月前」「3ヶ月前」: 円満退職の目安にはなりますが、法律(2週間)が優先されるのが一般的な理解です
- 本当の意味の「当日で契約終了」: 会社が合意すれば可能です(合意退職)。代行経由で「即日の合意退職」がまとまるケースも実際は多い

幕田さん(支配人)
とくに有期契約の人は、自己判断で突っ走らないこと。「やむを得ない事由」にあたるかは個別の話なので、交渉できるタイプの代行や専門家に乗せてしまうのが安全です。
SCENE 04明日から行かないための段取りは、3つだけ
- 有給の残日数を確認する — 給与明細か勤怠システムで見られます
- 貸与品を返せる状態にまとめる — 鍵・社員証・制服・PC。箱に入れておくだけでいい(→ 荷物の実務)
- 伝える — 自分で言うなら退職届+有給申請をセットで書面提出。無理なら退職代行へ(→ 選び方【30秒診断つき】)

レンくん
段取り、思ってたより短い…。今夜のうちに1と2は終わりますね。

幕田さん(支配人)
終わります。そして3を済ませた瞬間から、2週間のカウントダウンはもう始まっています。明日の朝のあなたは、玄関で靴を履かなくていい。おやすみなさい。
次回予告
「有給で埋める」と言ったら「うちに有給なんてないよ」と笑われた?あります。その回はこちら。
→ 「うちに有給なんてないよ」と笑われた日に読む記事。あります。しかも辞めるときが一番強いです
※本記事は一般的な情報の提供です。個別の法的判断は労働基準監督署・弁護士にご相談ください。
※本記事の会話パートは読者の悩みをもとにした演出であり、実在の企業・人物とは関係ありません。
